沈丁花にも春 2/26 金
花粉症だけが心配だった昔に詠んだ一句。
沈丁や屋台の囲い解かれぬ
花粉症だけが心配だった昔に詠んだ一句。
沈丁や屋台の囲い解かれぬ
梅や桜の開花ニュースがあちこちから聞こえてくる。春が速足でやってきたと思っていたら、沈丁花にも春が来ていた。
今年はマスクで香りが届かなくて、目が先に見つけた春。
決算に瑕疵ひとつあり水温むく
決算書類に不備があって持ち帰ることになった。ネットで調べきれなかったことを、税務署の係の人が親切に教えてくれた。
寒さが戻った日だったけれど、早咲きの桜がもう満開になっていた。
お買ひ物マスク鼻歌春動く
水気を含んだような春の土の香りが部屋を通り抜ける。東京21度の月曜日。
ニュースでは満開の梅や河津桜が春の空に笑っている。
ここにも春が来てますよーと、水分をたっぷり蓄えた野菜たちがわきゃわきゃ手招きしていた。
良いものが大気に満ちて水の春
大阪なおみ選手が全豪オープンで優勝した。闘いぶりと同じスッキリした優勝スピーチが清々しい。
東京オリンピック開催に向けて、新しいチームがスッキリと走っている。
男女の区別をするつもりはないけれど、やっぱり女性が活躍する姿を見るのは嬉しいもんだ。
もうすぐ春だよと、きょうは日差しもきらめいていた。
春立つや胃カメラひとつ乗り越へて
年に一度の胃カメラ検査を終えて遅めのランチ。
あちこちガタピシしてきているけれど、心も体もまだ大丈夫。
ほの甘く優しい味のポテトスープが、焦らずゆっくりやっていこうよと言っているようだった。
春障子黒文字で割るチョコの菓子
バレンタインデーが近くなると、チョコレートの甘い香りがあちらからもこちらからも漂ってくるようで、ついつい手が伸びる。
チョコレートの誘惑、抗い難し。
節分の残り豆にて口の福
節分のあとのお楽しみ。残ったお豆で炊き込みご飯。
日を浴びて色立ち匂ふ枯葉かな
北風が元気よく吹いていて、きょうは一日寒かった。三寒四温と分かっていても、こんな日はちょっと首をすくめて急ぎ足。
でも、夕方の陽に顔を上げたら、思わぬ絵画を発見した。
たれか居てよいま春の炉の向かふ側
母から、「白梅にちらほら付いた蕾が今日は一斉に開いていて可憐でした🎵 レモンの木にも小さな硬い蕾がぴちぴちとたくさん芽吹いてきました。ママのような老木のお金の成る木の蕾もぱちぱちとたくさんひらいてきました🎵 我が家の庭はもう春です~😊」とメールが届いた。
そう言えば、お正月に母の庭からもらってきたミントやローズマリーに根っこがついてきたなぁと眺めていたら、新芽が出てきた。
母の育てる植物はどれもとても元気。
町の夜の人の絶へたる余寒かな
プレミアムフライデーを取ろう!と言っていたのがユメだったかのような、ひっそりとした金曜日の夜。
週末を控えた前夜のはなやいだ空気がどこにもない。
と思っていたら、
日中の暖かさにまたふっくらと花をつけた梅の木が、金曜日の夜を彩っていた。
晴れぬとも立春大吉揺るがぬと
新しい春の始まり。ここからまたスタート!
探梅やいのちひとつを思ひけり
暖かく柔らかい風が吹く夕暮れ。2月の始まり。