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りんごの季節 12/30 水

りんご

大雪や津軽娘はいつに泣く
It's heavy snow. Tsugaru daughters who prevented the infection,
also bear a heavy burden.

りんごの季節は医者泣かせ。のはずが、コロナ禍でお医者さんは大忙しだ。
用心の一年から、新たな用心一年へ。
りんごちゃん頼むよと、祈りながら今年を納める。

スノードームの雪のなか 12/26 土

スノードーム

老人の嫉妬の冬をアマデウス
In the winter of life, the old man was covered in jealousy for Amadeus.

ウィーンからやってきたスノードーム。クグロフにサラサラと雪がふり続ける。いつまでも見飽きない小宇宙。

今夜はモーツァルトを流して、ゆっくり過ごそう。

優しい聖夜 12/24 木

クリスマスツリー

クリスマス三角帽子はるけくも
Holy night party hat, frenzy Japan has gone.

芝公園の〈クリスマスガーデン〉イベント。今年は小さく開催していた。曇り空も相まって、クリスマスツリーもなんだか寂しげ。
どなたさまにも、優しい聖夜となりますように。

ホリデーシーズン 12/22 火

ココア

マシュマロのココアに溶ける冬至かな
The winter solstice has come,  people love marshmallows melted in cocoa.

ポートランドの友だちと、久しぶりのメールのやりとり。
アメリカはホリデーシーズンの只中なんだと、メールの雰囲気が伝えてくれる。
何もなければ心置きなく家族や友人とハグをして、手から手へ贈り物が交換されて、同じ食卓を囲む季節。

我慢はあっても、世界がすっかり暖かい愛に包まれますように。

土曜日が消えた 12/20 日

牛のフィギュア

伸び縮みする時間背負ふ師走かな
Time expands and contracts, and people feel December.

すっかり金曜日だと思い込んでいた日の翌日。手帳を見たら日曜日だった...。
わたしの土曜日は一体どこに行ってしまったのでしょう。

灯りを消して見えるもの 12/18 金

イルミネーション

東京の模造の冬の剥げかかる

年末年始にかけてのイルミネーションのイベントが自粛となり、帰省もままならずで、なかなか寂しいことになってきた。

町中の街灯をすっかり付け替えて、かつての星空を取り戻した岡山県美星町。
近年の街灯が明るすぎて、星空が見えなくなったとの声を受けての全取っ替え。かつての満点の星空が、また町を照らしている。

東京もイルミネーションだけじゃなくて、この際ネオンサインも思い切って消してしまったら、せめて星降る夜が一切を包んでくれるかもしれない。

母の年賀状 12/16 水

母のアトリエ

黄落を見入り絵筆を仕舞ひけり

最近の母の年賀状は、秋のグループ展に出展した絵を題材に作っていた。でも今年はグループ展が開催できなかったし、思うような絵も描けないと、母がぼやいている。

しばらく前に撮ったものだけれど、ママのアトリエの写真を使うのはどうかな。気落ちの母を励ましつつ、写真選びに専念。

冬の灯り 12/13 日

イルミネーション

電飾の町の灯りも冬の濤

冬のポートランドは息を呑むほどに美しくなる。それぞれの家の窓にクリスマスツリーの灯りがこぼれ出て、通りをほのかに照らす。
派手なイルミネーションもネオンもない町に、クリスマスの灯りが暖かく揺らいでいる。

12月に入って、事務所のある駅にイルミネーションが灯った。
ポートランドと比べても仕方ないけれど、ゴテゴテしていなくてよかったです。

香り 12/11 金

香水

包丁の音の匂ひや土大根

春先の、ずっと家にいる日が続いたころに、いつも着けている香りに、微かな違和感を覚えた。いつごろから使い始めたかも覚えていないほど、馴染んでいた香りだったのに。

新しい香りは、今までよりも淡く、透明な空気のよう。ポートランドの朝の香りがする。

育てる 12/9 水

鉄瓶

熱燗にて鉄瓶始めの儀と致す

子どものころから鉄瓶は身近な存在だった。
朝、台所に降りていくと、鉄瓶からゆっくり湯気が上がっていて、そのそばに祖母がつけた梅干しが入った壺が置かれている。
毎朝梅干しを一つが我が家の習慣で、子どもたちの梅干しは砂糖がまぶされていた。

鉄瓶でお湯を沸かすことから朝を始める日常は、一人で暮らしはじめて、またいつかのことにしていたけれど、またいつかとか言っているうちに、いろいろできなくなっちゃうかもしれないので、鉄瓶との生活を始めた。
愛しの日用品として育てていけますように。

12月のミステリー 12/7 月

文庫本

町時雨レンブラントの影に入る

冬になると、英国や北欧のミステリーを読みたくなる。熱い紅茶とビスケットを用意して、ブランケットにくるまってひたすら読み耽る。想像しただけで至福。
すでに守備よく英国ミステリーを2冊、手に入れた。

とは言え現実には、夏に買ったアメリカ発のミステリーたちが、次はボクの番とばかりに列をなしている。

お正月飾りの打ち合わせ 12/5 土

牛のフィギュア

遠隔の会議賑はふ霜夜かな

優子さんと厳太郎さんと、お正月飾りについてオンラインで打ち合わせ。
画面が繋がった瞬間に、わーいと手を振り合って、
MariY「クリスマスリースとスワッグを、扱わせていただいてありがとうございました」。
Yuko&Gentaro「いえいえいこちらこそ、たくさんの人に喜んでいただけたようで嬉しかったです」。などと、目の前で会っているのと変わらないご挨拶。

お正月飾りをご案内する期間が刻々と短くなっていて、ちょっと焦りつつも、ここは踏ん張りどころ。
喜んでいただける物をお届けできるようにと、三人のアイデアがクラウドで行ったり来たり。

優子さんと厳太郎さんはこんな活動をしています。Friendsページへ

今年もホリデーシーズン 12/3 木

トナカイのぬいぐるみ

古ランプ出してどこかに隙間風

いつもの年の12月は、慌ただしい気分を抱えながら町をせかせか歩いたり、今年最後とか言いながら、お気に入りのカフェでいちごパフェにまったりしたり、お正月に開けるお茶や和菓子の心算をしたり。

シゴト締め切りを睨んでは、師走ねぇとか言い合ったりもいつものことだったのにね。と、一年中ちんまりとそばにいる、となちゃん(トナカイのぬいぐるみ)に話しかけてみる。
振り返ってみると、まったく同じ年など今までにもなかったし、そういう意味では、今年だけが特別とは言えない、かもしれない

12月 12/1 火

12月の夜

顔見世や流行病はやりやまひの仁左衛門

夜のお出かけがないので、イルミネーションを見る機会がなくなってしまった。歳末の町の賑わいは、むしろ今年は避けなくちゃだし。年末感が味わにくいと思っていたけれど。

12月のカレンダーになって、いつもの年のように、慌ただしい気分がぷくりと湧いてきた。今年もやっぱり、新年に向けて気持ちよく準備を始めよう。
町行く人も少しだけ速足の12月のお一日。

お断りがないときは、文と写真はMariYが、句はNozomNの作になります。