かわいいコックさん 6/6 土
〈水洟や鼻の先だけ暮れ残る〉の河童忌近く、
刷毛一本あれば河童の青蛙
〈水洟や鼻の先だけ暮れ残る〉の河童忌近く、
刷毛一本あれば河童の青蛙
「ぼうが一本あったとさ」で始まる絵描き歌。
「六月六日に雨ざあざあふってきて」のところを、6月6日になると思い出す。
黒人差別をなくす会が、この「コックさん」を収録したサンリオの絵本に抗議して回収に追い込んだニュースを知ったのは、ずいぶん最近のことだった。
知ることの大切と、知ることの不自由と。
心のあり方が問われる。
なにもかもどれもこれもを衣更
八百屋さんの店先に夏の恵みが山盛りに並んでいた。赤紫蘇に実山椒にとうもろこしに空豆に。書いているだけでお腹も心もはずむ大地の恵みを買い込んできた。
とうもろこしを蒸す香りに、空豆を茹でる湯気に、子どもの頃の夏の記憶が重なる。父が飲む冷たいお酒の入ったグラスの水滴までが浮んでくるようで。
今夜は父に、冷たいお酒の代わりに出来立ての紫蘇のジュースを供えよう。
小糠雨素肌美人の町となり
降ったり止んだりの小雨に空気がすっきりと冷えている。6月の雨上がり。