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43 ウェルテル加速

若きウェルテルの悩み

 調べてみれば、250年も前の小説ですなあ。書名通り、若いウェルテルは始めから終わりまで悩みっぱなしなのである。友人の恋人に横恋慕したことが始まりで、就職先の公使館での人間関係に悩み、辞職した。元々悩み好きだからか、再び友人の恋人に恋をして悩み、そんな自分を持てあまして悩んだ末に、ピストル自殺をしてしまった。

悩むとちょっとファッション的に死ぬこともある

 これはゲーテ自身の体験を元に書かれたと云われるが、彼は自殺しなかった。しかしこの本を読んだ若者たちが相次いで自殺をした、と伝えられている。若者たちは自殺するときに、青い服と黄色いチョッキを着ていた、というわけのわからない現象があった。そういえばウェルテルがそんな服を着ていたように描かれていたな。それでも、わけがわからないけれど。

ウェルテルなブカいない?

 さて貴兄姉の若いブカも、ウェルテルのようにお悩みではないだろうか。横恋慕とか、不倫とか、惚れた腫れたとかで。エッ、そんなことまでカチョーは面倒見られないと仰いますか。その血相を変えた絶叫クレームはわかる。しかしご愁傷様としか申し上げようもないが、カチョーはブカの横恋慕にも目配りしなければならないのである。この本をよく読んでみると、ウェルテルの悩みの進捗の中核には、職場の不適応があったことが明白なのですよ。

少しのネタでカンタンに絶望できる

 ウェルテルは法律を学んで公使館に勤め、そこで出くわす官僚や貴族社会の理不尽に絶望する。ゲーテは官僚や貴族社会の理不尽を上手に書いているので、ウェルテルも又うまいこと絶望していく。それにしても、絶望に至るカンタンと迅速には驚くばかりである。何故それほどカンタン迅速に絶望したのかと言えば、横恋慕で悩んだためである。弱い人は平常を逸脱すると僻みやすくなり、ついでに恨みやすくなることはご承知の通り。ウェルテルにはそんな下地があったものだから、少しの理不尽で、すぐに他人すべてを敵に変えることができた。

ブカの手入れのタイミング

 横恋慕で悩むなどという下地があると、職場での人間関係に傷つきやすくなり、職場での人間関係に傷つくと、横恋慕などの悩みが加速する、という現象は、一般に「ウェルテル加速」と呼ばれる。ココだけの使い捨ての命名だけど。そこで、ウェルテル加速するブカを見たら、直ちに手入れにかからねばならない。ただし、横恋慕の所には手を突っ込まない。横恋慕の相手にも、ブカと一緒になって手を突っ込んではならない。職場での人間関係の手入れに入るのだ。