nozomnの快適・カチョー生活辞典NozomNの 快適・カチョー生活辞典

23 プライオリティ

あららっ

 できるカチョーは山積する問題のプライオリティ(優先度)を考え、その度合いが高い順にシゴトをこなしていく、という根強い誤認がある。誤認したまま指導する立場になってしまい、そのように教える人もいる。

ごもっとも

 問題への対処には二種がある。お客さまが瞬間湯沸かし器の如く怒りを沸騰させてクレームを言い立てれば、何を置いてもすぐに駆けつけて平謝りするのは、緊急問題への対処である。これに対して、お客さまの商品理解に時間がかかるようになったのは、商品数が多くなった事に加えて商品領域が干渉し合うようになったためだ、と考えて商品統合のプランを策定するのは重要問題への対処である。問題を緊急軸と重要軸で位置取りさせれば、緊急且つ重要、緊急だが非重要、重要だが非緊急、非緊急且つ非重要に四分できる。このように問題を整理して取りかかるのがプライオリティ派のやり方だ。

しかし逃避への第一歩

 しかしカチョーの前にはすでに問題が山積しており、なお刻一刻と問題は運ばれてくるのである。これを緊急だが非重要だとか重要だが非緊急だとかに分けて、Things To Doなどのリストを作っていると、カチョーの生涯はリスト作りに明け暮れることになる。これが問題からの逃避の第一歩。

そして逃避への第二歩目

 問題を緊急や重要に分けたのはいいけれど、結局手をつけるのは緊急モノである。重要モノは時を改めてじっくりと取り組むべきであるから、今日は取り組まないのである。明日も取り組まないのである。そしていつも取り組まないのである。これが問題からの逃避の第二歩目。

さらに逃避への深入り

 緊急問題とのつき合いに慣れると、緊急問題欠乏症に見舞われるようになる。大概の緊急問題は処理解決がカンタンだから、すぐにネタ切れになる。そこで緊急問題を自家生産するようになる。ブカに思いつきの課題を突きつけてレポートを求め、庶務に不要不急のデータ作りを急がせ、自らはそうしたシゴト振りを忙しく統合するための道具だのシステムだのの導入に時間をかける。逃避へ深入りする徴候だと見て間違いない。

生還への道

 いま目の前に出現した問題にすぐに手をつける。重くても軽くても、緊急でも長期モノでも、すぐに手をつける。緊急や軽いのは一気にやり、長期モノや重いのは切れ切れにやり進めて行くだけだ。どの問題もそのときやり始めることが、逃避を回避する道である。やる価値のない問題は捨てる。本当に必要ならば誰かがやるだろう。やる価値があってもやれない問題は捨てる。やれるヤツがいたらやることになるだろう。