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一家(家のコトバ2)

  一家というコトバには、安心と誇らしさが込められている。

 一家のあるじ、一家を構える。言うまでもないが、この一家はひとつの家族、ひとつの所帯のこと。正三角形を見るような安定の響きが伝わってくる。

次郎長一家の写真

▲現存する次郎長一家の写真。前列左から3人目が清水次郎長。(幕末写真館より)

 次郎長一家と言えば、親分子分の関係で結ばれた博徒の集団である。盃をかわして親子兄弟の契りを結ぶのだが、そうして「うち」と「そと」を峻別する。峻別することで内側には独特のルールができあがる。

 通信の専門家として一家をなす、という一家もある。学問や芸事の世界では、ある頂点に立って流派を率いればこう言われる。

 流派は率いていないが、専門的な知識や技能が高い人を「‥家」と呼び習わす。専門家、投資家、脚本家、政治家、起業家、噺家。その中でも傑出している人が大家。この場合は「たいか」と読んで欲しい。「おおや」は貸し屋をやってる人、「たいけ」だと金持やエラい人だから。

 一家ということばに安心を感じるのは、囲いの中にいる感じがあるからだ。一家ということばに誇りを感じるのは、この居場所の一員として認められた感じ、努力して自分の居場所を作り上げた感じがあるからだ。

2021/4/21 NozomN

   

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