会社にとって、パートと言えば、パートタイマーのことである。そしてまた、パートタイマーとは、その会社の正規の労働時間よりも、短い労働時間で働く社員のことである。正規の労働時間で働く社員はフルタイマーというから、正規社員であるか非正規社員であるかは、労働時間の長さによって分けられていることがわかる。パートを活用するときには、まずはこの認識から出発することが大事だろう。
ときどき、パートタイマーを誤解している向きがある。パートタイマーは、働く時間がパートなだけでなく、仕事をこなす力も成果を上げる力もパートだ、と思いこんでいるヒトがいるのだ。たしかに、パートタイマーの諸能力がパートであることは間違いない。しかしそれは、パートタイマーに限ったことではない。生きとし生けるすべてのブカが、カチョーが、ブチョーが、シャチョーが、同じようにパートな諸能力しか持ち合わせていないのである。
アパートもデパートも、部分が集まったものである。アパートは同じようなものが、デパートは異なるものが集まって全体になった。ここから考えれば、部分であるということは、同じものの集まりの部分である場合と、違うものの集まりの部分である場合と、同じものの集まりの部分であり且つ違うものの集まりの部分である場合の、3つがあると見当がつく。会社員の多くが、1課、2課、3課のような同型の住人であるとともに、営業部、事業部、研究開発部、工場のような異型の住人でもあるということだ。すなわち会社員は、アパート型、デパート型、アパート&デパート型のいずれかの型の社員生活を送っているのである。