マネジメントとは人を効果的、効率的、経済的に動かすことで、組織を効果的、効率的、経済的に動かし、もって成果を効果的、効率的、経済的に得ることの全般である。つまりは、人を動かすことに始まるのがマネジメントである。
始業の5分前、身体の具合が悪いので休ませて欲しいとブカが連絡をしてきた。もちろん身体の具合が悪いときもあるだろう。しかし具合が悪いのは気合いが足りないからではないか。そもそも具合など悪くないのではないか。そう怪しむカチョーがいる。まあブカの病欠連絡を怪しんでもよいが、問題は怪しむことではブカが動かないことである。
折しも業務繁多である。納期が迫りクレームも発生している。何故こんな時に休むのか。まことに怪しからん、チームにとって迷惑だ、と憤ってもよいが、問題は憤ることではブカが動かないことだ。
仕事人は我が身の痛い痒いなど言い立てずに責任をもって精勤すべし、との信条を持つカチョーもいるだろう。あるいは、まずはわが身体髪膚の大事を第一とし、二番目に家族で、仕事は三番目としたい、などと信念するカチョーがいるかも知れない。信条も信念もよいが、問題は信条や信念の披露ではブカが動かぬことだ。
怪しみ憤った上に、日頃の信条、信念を語るのは、お喋りである。お喋りを低く言うつもりはない。しかしお喋りとは、わが気分の満足を求めて言いたいことを言う行為である。怪しいと思ったから怪しいと言いたいのは、わが身の満足のためである。憤ったから怒るというのも、信条、信念を噴出させるのも、わが身の満足のためである。つまりはお喋りなのである。