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21 待避(退避)

用途

 ブカと感情的なすれ違いが生じたとき、ジョーシと歩調が合わなくなったとき、お客さまとのやり取りにボタンの掛け違いが起きたとき、評価、運動、通達、慣習など、ソシキ機能の一部と軋轢(あつれき、不和)を予感したときなどに万能。

用法

 すれ違いや掛け違いの軋轢があるところ、必ず気流の乱れがある。気流の乱れは、理不尽な状況と己の自尊心との摩擦で生まれる。このとき、理不尽な状況にこそ心が千々に乱れるように感じるのだが、実は自尊心の抵抗が乱れを増幅しているのである。この乱気流に出会ったら、兎(と)にも角(かく)にも、身をかわすのが上策である。細かく言えば、乱気流が弱まるまで時間を稼ぐ待避術、乱気流の通り道から身を退ける退避術、の二術がある。

効能

 運転免許は交通法規を覚えて取得する。ために運転者同士は、相手が同じ交通法規を学んでいることを前提に運転ができる。しかしビジネスの世界は、人倫規則を深く学ばずとも無免許行動が許されるから、ローカル・ルールもナショナル・ルールも、インターナショナル・ルールもインターナショナル・ルールだと思いこんでいる超ローカル・ルールも入り乱れて、みんなで正当顔をしている。斯く言うアタシも、そこのアンタも、相当なまがい物ルールを抱えてなお正当顔をしているということだ。待避は、このような互いの不完全でまがい物の部分をやり過ごして、心のシミそばかすを防ぐ処世度60++の効能を持つ。