時間の意味には時刻もあるので、時刻と時間などとは言わない方が良いのだが、話をクッキリさせるために時刻という言葉も使う。すなわち会議で必要なのは、テーマだけでなく時刻と時間である。とりわけ開始と終了の時刻には注意を払いたい。
会議や会合の生産性は、そこに集まった人・モノ・情報の単価の人数分と、≧(イコールオアベター)でなければならない。人の単価は時間であるから、時間を縮めること、拡大しないことが、生産性を保持する要諦(「ようてい」、仏教的な意味を込めれば「ようたい」、一番大事なこと)である。その第一歩は、会議や会合の開始と終了時刻を守ることだ。
幹部が会議の時刻に集まらないことに悩んだブラジルの経営者リカルド・セムラーは、会議の開始時刻を八時四七分とか九時三九分とかで案内することにした。すると開始時刻には全員がピタリと揃うようになった。
ミスター・セムラーは、会議を立って行うことにした。机の端に座ったり壁に寄りかかったりはOK。すると会議が予定よりも早く終わるようになった。
ミスター・セムラーは、会議をなるべく開かないようにした。すると会議にかける時間に悩むことが少なくなった。必要なときに必要な幹部を訪ねて話し合う方が、能率が上がることに気がついた。